ジャパングレード

2008年2月 8日 08:57
仕事で海外に行くことがちょくちょくある私には、近年ここまで日本を取り巻く環境や、日本に対しての認識が変化したことは無いと思っています。

昨年、オーストラリアと中国に行って感じたことは、円の価値がここまで下がっているのか!ということです。7年前に65円=1豪$だったものが100円=1豪$になった、12円=1元から15.5円=1元という為替の問題だけではなくて、日本を見る目が変わった・・・「ジャパンアズNo,1」の時代からバブル崩壊後未だに立ち直れないことへの哀れみの目とでも言いましょうか、日本を明らかに下に見ている(見下すという表現まではいかないが)ような気がします。

もともと世界経済の中でも、日本の商社を中心に世界中のものを物量の力で買いあさっていた時代の商売のやり方(品質は良くて、ひたすら安く大量に)を今でも続けているからだろうなぁと思います。

日本の企業が日本人に物を売る品質基準が世界一だと誰もが認めて、その高品質と消費活動に特に中国・韓国をはじめとした東南アジア各国から羨望のまなざし(ルックイースト)で見られていたときはもう過去のものです。

日本人の求める「品質」の異常なまでの潔癖性・完成度は、日本の企業間競争の中での産物で、消費者はだんだんとその過剰品質に馴らされていった結果だと思いますが、当たり前のことですがそのような品質が世界基準のわけではないので、特に中国などでは世界中から製品加工の注文が来るようになった現在、日本だけに特別な製品を供給するための生産効率の悪さが認識されてきて、日本に売るものを作りたがらない傾向が出てきました。

実際には必要ないほどの高品質な商品を作るために、どれだけの手間や材料が無駄にされているのでしょうか?
また、その高品質なものだと信じられているものが、表面だけを着飾ったりしただけの商品だとしたらどうでしょうか?

高品質が単なる着飾ったものではなく、良い材料で長持ちすることに考え方を変えていかなければ、日本人の価値観そのものが世界から否定されるときがやってくるかもしれません。

地球環境の問題が今は中国でも語られるようになったのに、すぐに買い換えてしまうような薄っぺらな商品(新建材などを中心)などを作り続けている日本が滑稽にすら思えます。

最近の中国産冷凍食品に対しての過剰ともいえる反応は、他の国では考えられないぐらいだと思われます。

これでまた、日本の食品に対しての関連法令がより厳しくなり、一般家庭では何もリスクをとらなくてもすむような、隅々まで管理された食品が並ぶことでしょう。

こんなことを云うと「自分が被害者になったときのことを考えていない!」というようなお叱りを受けるのですが、言い古された言葉に「自己責任」ということがありますよね。これが今の日本人にはなさ過ぎる。

一つ問題があれば、より基準が厳しくなり、より審査が厳しくなり、それを監督する機関が新たに作られたりの繰り返しです。

何も考えずに、管理された物を選択するのか?

自分自身の責任で選択するのか?

日本人は、管理監督されて安心する国民ではなくて、考え工夫し行動する国民であって欲しいと思います。

(株)ムラモト  村本 喜義

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