住宅のエコについて考える
2008年4月 2日 09:59
住宅のエコについて考える1
~エコロジーもエコノミーも~
たぶん温熱環境について一番最初に思うのだろうけど・・・。
たぶんみんなは、断熱をよくして、灯油代や電気代の消費を抑えることで、エコエコを達成できるし、貢献できていると考えるだろう。
でも状況はそんなに簡単なことではない。
断熱を良くすることでの弊害(結露)を解消するために、住宅の気密化が必要だということはこのブログにも再三登場しているので理解できるところだと思うのですが(ウールブレスはこの複雑な気密化がいらないことが最大の特徴)石油化学系の断熱材を用いることでの気密化がもたらす住宅の弊害が懸念されることが、悪循環の堂々巡りから抜け出せない理由に間違いありません。
気密工事に伴う価格の上昇分や機材・施工に伴うエネルギーのロス、私が最も懸念する「気密の劣化」については誰も問いかけに答えてはくれません。
つまり、気密しなければ結露してしまう住宅だからしっかりとした気密をするのであって、その気密が長いあいだに劣化してしまうとたちどころに、結露しやすい住宅という正反対の性格の住宅に豹変することに懸念するわけです。
お上は200年住宅というものをのたまっていますが、200年住宅を気密住宅で計画しているとすれば、少なくとも50年先には笑い者です。
エコロジーの本当の意味を再度確認してください。
『自然環境を保護し、人間の生活との共存を目指すという考え方』
気密された人間だけの封鎖された環境下で暮らしながら、自然環境との共存を目指すことなどチャンチャラおかしいでしょう?
私の考えるエコエコとは
自然に対して遮断したり拒否したりすることなく、自然環境を受け入れつつその環境下で緩和させるという手法を使い、石油化学製品や石化燃料の使用をリデュースする生活だと思っています。
こういうことを述べると必ず「縄文時代に戻るのか?」とか「産業革命以前へ戻るのか?」などど突っ込まれますが、そうではありません。
レスターブラウンが提唱するように「環境的に持続可能な経済(プランB)」を目指すということにもつながりますが、少し時計の針を戻したような生活をするだけで、環境的にはニュートラルに出来ます。
具体的には、外部の温熱環境に少しも影響受けることなく暮らす方法から、影響は緩和される程度で後は個暖・個冷の対応で十分だとは思いませんか?
どっちみち外部からの温熱の影響を完璧に遮断できても、寒がりの人と暑がりの人とがいれば、室内温熱環境をどれだけ機械的に管理しても個暖・個冷の対応は迫られるわけです。
さらに云えば「外部の温熱環境からの遮断が目的ではなく、内部の温熱環境を外部に漏らさないための断熱・気密なのだ!」という人にはこう言いたい!
365日24時間回り続ける換気扇によって、せっかく維持された温熱環境を漏らしているこの現状で、白々しく聞こえちゃうんですが?
さらに、「漏らさないために熱交換機を使い効率の良い換気に努めているのだ」ということに至っては、何をいわんかやだと思うのですが。
そこまで行き着いてエコエコなのですか?
もっと付け加えると・・・。
結露させないための気密化によって、室内の湿度環境が著しく変化していることにチェックを入れなければいけません。
気密化した室内において、湿気を排出する開放型と呼ばれる熱源は使えません。
これは、燃焼すると水分が出る熱源のことで、ガス・灯油式ファンヒーター・暖炉・火鉢などです。
これらは、湿気の排出と共に二酸化炭素も放出してしまうことで気密住宅で使うことは厳禁になっています。
さらに厳密に言うと、結露対策として「室内排湿型食器乾燥機」「室内排湿型洗濯乾燥機」「鍋料理」「室内での過度の運動」なども使用を控えたほうがいいとされています。
オーバーかもしれませんが、気密住宅の考え方から行くとアウトなのです。
そういう風にして、湿度を上げない努力をしながら・・・というよりもすることによって今度は「過乾燥」という弊害が現れます。
まさに、泥沼ですよねぇ。
過乾燥・・・つまり湿度が低すぎて、生活するレベルにおいて明らかにマイナスになることを云います。
過乾燥の弊害は、ウィルス性等の病原体(風邪を引きやすくなる)・呼吸器系の疾患・アトピーやアレルギーを蔓延させる原因になります。
また、乾燥しすぎると住宅に使われている木材や家具にとっても辛い環境になりますし、ペットを飼われている場合には人間以上にきめ細かな配慮が必要になります。
それだったら上記にあるような「食器乾燥機」「洗濯乾燥機」「鍋料理」「室内での過度の運動」を認めればいいではないかと思われるでしょうが、本来計画された環境下という前提が気密の絶対条件なので、計算できないこれらの湿気の排出元は認めることが出来ないのです。
これからの気密住宅の行く末は・・・。
熱交換による計画換気をしながら、湿気を出さない室内設備と暮らし方で、計画的に湿気を供給していくということになります。
もう一度問います。
これでエコエコですか?
(株)ムラモト 村本喜義
~エコロジーもエコノミーも~
たぶん温熱環境について一番最初に思うのだろうけど・・・。
たぶんみんなは、断熱をよくして、灯油代や電気代の消費を抑えることで、エコエコを達成できるし、貢献できていると考えるだろう。
でも状況はそんなに簡単なことではない。
断熱を良くすることでの弊害(結露)を解消するために、住宅の気密化が必要だということはこのブログにも再三登場しているので理解できるところだと思うのですが(ウールブレスはこの複雑な気密化がいらないことが最大の特徴)石油化学系の断熱材を用いることでの気密化がもたらす住宅の弊害が懸念されることが、悪循環の堂々巡りから抜け出せない理由に間違いありません。
気密工事に伴う価格の上昇分や機材・施工に伴うエネルギーのロス、私が最も懸念する「気密の劣化」については誰も問いかけに答えてはくれません。
つまり、気密しなければ結露してしまう住宅だからしっかりとした気密をするのであって、その気密が長いあいだに劣化してしまうとたちどころに、結露しやすい住宅という正反対の性格の住宅に豹変することに懸念するわけです。
お上は200年住宅というものをのたまっていますが、200年住宅を気密住宅で計画しているとすれば、少なくとも50年先には笑い者です。
エコロジーの本当の意味を再度確認してください。
『自然環境を保護し、人間の生活との共存を目指すという考え方』
気密された人間だけの封鎖された環境下で暮らしながら、自然環境との共存を目指すことなどチャンチャラおかしいでしょう?
私の考えるエコエコとは
自然に対して遮断したり拒否したりすることなく、自然環境を受け入れつつその環境下で緩和させるという手法を使い、石油化学製品や石化燃料の使用をリデュースする生活だと思っています。
こういうことを述べると必ず「縄文時代に戻るのか?」とか「産業革命以前へ戻るのか?」などど突っ込まれますが、そうではありません。
レスターブラウンが提唱するように「環境的に持続可能な経済(プランB)」を目指すということにもつながりますが、少し時計の針を戻したような生活をするだけで、環境的にはニュートラルに出来ます。
具体的には、外部の温熱環境に少しも影響受けることなく暮らす方法から、影響は緩和される程度で後は個暖・個冷の対応で十分だとは思いませんか?
どっちみち外部からの温熱の影響を完璧に遮断できても、寒がりの人と暑がりの人とがいれば、室内温熱環境をどれだけ機械的に管理しても個暖・個冷の対応は迫られるわけです。
さらに云えば「外部の温熱環境からの遮断が目的ではなく、内部の温熱環境を外部に漏らさないための断熱・気密なのだ!」という人にはこう言いたい!
365日24時間回り続ける換気扇によって、せっかく維持された温熱環境を漏らしているこの現状で、白々しく聞こえちゃうんですが?
さらに、「漏らさないために熱交換機を使い効率の良い換気に努めているのだ」ということに至っては、何をいわんかやだと思うのですが。
そこまで行き着いてエコエコなのですか?
もっと付け加えると・・・。
結露させないための気密化によって、室内の湿度環境が著しく変化していることにチェックを入れなければいけません。
気密化した室内において、湿気を排出する開放型と呼ばれる熱源は使えません。
これは、燃焼すると水分が出る熱源のことで、ガス・灯油式ファンヒーター・暖炉・火鉢などです。
これらは、湿気の排出と共に二酸化炭素も放出してしまうことで気密住宅で使うことは厳禁になっています。
さらに厳密に言うと、結露対策として「室内排湿型食器乾燥機」「室内排湿型洗濯乾燥機」「鍋料理」「室内での過度の運動」なども使用を控えたほうがいいとされています。
オーバーかもしれませんが、気密住宅の考え方から行くとアウトなのです。
そういう風にして、湿度を上げない努力をしながら・・・というよりもすることによって今度は「過乾燥」という弊害が現れます。
まさに、泥沼ですよねぇ。
過乾燥・・・つまり湿度が低すぎて、生活するレベルにおいて明らかにマイナスになることを云います。
過乾燥の弊害は、ウィルス性等の病原体(風邪を引きやすくなる)・呼吸器系の疾患・アトピーやアレルギーを蔓延させる原因になります。
また、乾燥しすぎると住宅に使われている木材や家具にとっても辛い環境になりますし、ペットを飼われている場合には人間以上にきめ細かな配慮が必要になります。
それだったら上記にあるような「食器乾燥機」「洗濯乾燥機」「鍋料理」「室内での過度の運動」を認めればいいではないかと思われるでしょうが、本来計画された環境下という前提が気密の絶対条件なので、計算できないこれらの湿気の排出元は認めることが出来ないのです。
これからの気密住宅の行く末は・・・。
熱交換による計画換気をしながら、湿気を出さない室内設備と暮らし方で、計画的に湿気を供給していくということになります。
もう一度問います。
これでエコエコですか?
(株)ムラモト 村本喜義
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