エコプレミアム

2008年5月 2日 10:30
私が尊敬している野池さん(住まいと環境社)が書いていることの中からご紹介します。

エコプレミアムとは?
商品の価値を、価格や機能だけで(一般にプレミアム商品とは、そんな商品を言います)判断するのは間違いであるということ考えに立ち、その商品が環境に対して負荷が低い故に、プレミアム商品であるというものを意味します。現時点で、残念ながら、そのようなものはほとんど存在しておりません。しかし、我が国の商品開発は、そのような方向性を目指すべきだと考えます。

~~ここから引用~~
安井至さん(国連大学副学長)が提唱している言葉で「エコプレミアム」という話があります。

安井さんはロレックスの時計がエコプレミアム的な価値が高いと言う。なぜなら、高額ということで世の中にお金は回るし、修理して長く使うということでそうした経済や雇用が生まれ、ゴミも少ないという理由だ。初めてこの考え方に触れたとき、かなり驚いた。「ほう、なるほど」と思ったわけだ。

経済がこのままで(つまりお金の回り方に変化がなく)、環境負荷を減らしていこうとしたとき、「できるだけ形のないもの」にお金を使うというのがよいことになる。またもし形があったとしても、そこに使われる材料を少なくし、それを長持ちさせるのがよい。

私はお金の回り方自体を少しずつ減らしていくのがよいのではと思っていたから、とても新鮮な考え方だと思ったわけだ。
~~ここまで~~

例えば、時間を知るためだけの安物は、それこそ1000円以下で買えます。これでも、確かに時間を刻みます。一方、手作りに近い腕時計、ロレックス100万円。使っている地球資源の量は似たようなものでしょう。

環境環境と言うと、ケチ臭く生きることだと思われるかもしれませんが、それは間違いです。それでは人間の豊かさが失われるからです。ロレックスの価値とはなんなのでしょう。それは、人間の知恵と技巧が込められている作品だからです。いわば無形の価値です。それを評価できるからです。

この考え方は住宅にもつながりますよねぇ。

雨風をしのぐ箱なら安くてもいいと思うのですが、人間が生きていくために必要な環境(精神的・肉体的・家族の和)を作ってあげられる場所としての住宅は『エコプレミアム』であるべきですよねぇ。

『エコプレミアム住宅』
ライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment)を考えた材料の選択(もちろん木材は日本の国土保全に役立つ国産材の仕様)と、住む人に安らぎと憩い・癒しを与えられる環境設計で、確かな知識と腕がある職人集団で作り上げる住宅。

このような住宅は少しずつ手入れしながら、何世代にもわたって住み続けてくれるでしょうね。

(株)ムラモト 村本喜義

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