地震・雷・火事・親父。昔から怖いものとして恐れられてきました。
今、親父は居ても、怖いんだか、怖くないんだか・・・。
木の家の安全性には、あまり関係ないので、ここでは触れないことにします。
雷は、対処法等が判明し、昔ほど怖くはなくなりました。しかし、落雷による火災が1年間に数十件発生しています。
そこで、ここでは木の家の地震や火災が起こったときの安全性について触れてみます。
まず、地震。
日本が地震大国だということは、皆さんもご存知でしょう。
世界の地震の約2割は、日本列島の周辺で起きているそうです。今年(2007年)も3月〜8月の5ヶ月間だけで、能登半島・三重県中部・新潟県中越沖・千葉県南部で震度5以上の地震が発生し、延べ6480棟の建物が全半壊するという甚大な被害がでました。
地震で人命を失う原因のほとんどは、倒れた建物の下敷きであると言われています。
阪神淡路大震災での6500名の死者の9割は建物等の下敷きによる圧死でした。
地震時に建物が倒壊しないことは、人命を救うために最低限必要です。
さて、木の家は地震に弱いと考えている人もいるのではないでしょうか?
現在では、過去の地震の教訓から、研究や実験が積み重ねられ、木の家は、地震に対応する力を備えています。
「実際に地震で倒れているのは、ほとんど木造の建物ではないか!」と言われるとその通りですが、この倒れている木造の建物の多くは、古い木造住宅なのです。日本は、シロアリなどの被害や、土台・柱下部が腐っていることも多く、ぼろぼろだったからということもありますが、建てられた当時に明確な耐震基準がなかったことが大きな原因です。
昭和56年に耐震基準の大きな転機があったため、あくまでも目安ですが、これ以前に建てられた木造の建物は、一度、専門家に見てもらうことをお勧めします。
また、現行の建築基準法は、最低基準を定めている法律であることを忘れずに。基準法を満たすことは当たり前。耐震については、基準法以上の性能が必要です。
そして、地震で木の家が壊れない為に、一番重要なことは、木の家の耐震性能ではありません。敷地の地盤です。どんなに地震に強い建物を建てても、地盤を把握していないと、その性能は十分に発揮できません。建てる前には、必ず地盤調査を行い、問題がある場合は、対処することが必要不可欠です。
次に、火災。
「木は燃えやすい=木の家は火事に弱い」と考えられています。
これは、正しいとはいえません。木造に限らず、どんな建物にも可燃物があるため、発見が遅れると燃え広がってしまい、勢いを止めることは困難になります。これは、鉄骨造でも木造でも同じことなんです。
木は発火して燃えるため、一見すると火に弱そうなイメージですが、燃えているのは、表面だけなのです。燃え始めると、木は表面に炭化層(黒こげ)をつくり、進行を遅らせる性質を持っています。つまり、建物が燃えてしまったときに、安全に逃げる時間を稼いでくれることになります。
私たちもこの性質を利用して、万が一、出火しても30分は、構造体が崩れないような安全設計を行っています。また、去年から火災報知機の設置も義務付けられています。
でも、一番大事なのは、火災を起こさないことです。火の元には、十分に注意しましょう。
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